インターホンの取り付け高さに、一律の正解はありません。玄関子機は機種ごとの撮影範囲、来訪者が立つ位置、玄関の段差、カメラの角度を確認し、室内親機は利用する人の目線、操作のしやすさ、配線と電源を考えて設置位置を決めます。
既存位置からの移設に配線延長や電源工事が必要な場合は、施工業者へ相談してください。AC100V電源直結式の取り外し・取り付けは電気工事士へ依頼し、賃貸・マンションでは貸主、管理会社、管理組合へ先に確認します。
この記事はメーカー公式情報をもとに編集しており、実機の使用・施工体験ではありません。製品の現行状況、角度調整台の適合、工事料金の確認日は2026年8月25日です。
状況別早見表:どこから確認すればよいか
※比較表は横にスクロールできます。
| 読者の状況 | 最初に確認すること | 次に読む章 |
|---|---|---|
| 来訪者の顔が画面に入りにくい | 来訪者の立ち位置、撮影範囲、カメラの向き | 玄関子機の高さと位置を決める方法 |
| 玄関子機が高すぎる・低すぎる | 対象機種の施工説明書、測定位置、玄関の段差 | メーカーの設置例と測定位置 |
| 門柱やポストへ設置したい | 取付面の寸法、製品の設置制限、配線経路 | 門柱・ポスト・玄関脇の注意点 |
| 逆光で来訪者の顔が暗い | 空や白い壁の映り込み、太陽と玄関灯の位置 | 逆光・直射日光・雨・夜間の設置場所 |
| 雨や直射日光が当たる | 機種の使用条件、軒の有無、水抜き穴 | 雨・防まつ性能・水抜き穴の確認 |
| 室内親機が高く操作しにくい | 利用する家族の姿勢、画面の見やすさ、移設可否 | 室内親機の高さと位置を決める方法 |
| 古いチャイムが天井近くにある | 新しい親機の希望位置と配線延長の必要性 | 天井近くの古いチャイムから交換する場合 |
| 近くにコンセントがない | 親機の電源方式と電源工事の必要性 | コンセントの位置と電源コード |
| 親機や玄関子機の場所を変えたい | 既設穴、配線経路、壁材、電源方式 | 既存の設置位置を使うか移設するか |
| 賃貸またはマンションで設置したい | 貸主・管理会社・管理組合の許可と設備の連動 | 賃貸・マンションで位置を変える前の確認 |
最初に確認する5項目
- メーカー名と、室内親機・玄関子機それぞれの型番。
- 現在の設置位置と、来訪者が実際に立つ場所・玄関の段差。
- カメラの映り方と、昼・夜・逆光での違い。
- 外から見える既存配線、近くのコンセント、電源コードの有無。
- 戸建て、賃貸、分譲マンションの区分と、必要な管理確認。
確認は機器を外さず、分解せず、足元が安定した場所から見える範囲に限ってください。電源コードが見えない機器や、高い場所にあるチャイムは自己判断で触らず、写真を撮って管理側または施工業者へ相談します。
インターホンの取り付け高さ・位置に一律の正解はない
玄関子機は「来訪者の顔が映り、呼出ボタンを押しやすい位置」、室内親機は「利用する人が画面を見て操作しやすい位置」を基準にします。同じ高さでも、カメラの画角、玄関の段差、来訪者との距離が違えば、画面に映る範囲は変わります。
玄関子機とは、玄関や門柱にある呼出ボタンとカメラを備えた機器です。室内親機は、呼び出しを受けて映像を確認するモニター付きの機器を指します。機器ごとに役割も設置条件も異なるため、1つの寸法で両方の正解を決めることはできません。
最初に見るのは「何cmか」ではなく、対象機種の施工説明書、来訪者の立ち位置、実際の映像、取付面、配線と電源です。145cmという数値を機種や測定点の確認なしに共通基準として使わないでください。
設置前に確認する5項目
設置位置を決める前に、型番、来訪者の位置、撮影範囲、配線・電源、住まいの制約を順番に確認します。外観だけでは判断できない部分は分解せず、写真を使ってメーカーや施工業者へ相談してください。
メーカー名・親機・玄関子機の型番を確認する
テレビドアホンのセット型番と、玄関子機・室内親機それぞれの型番は同じとは限りません。とくに角度調整台や取付部材は、セット全体ではなく実際に取り付ける玄関子機の型番で適合を確認します。
型番は説明書、保証書、購入履歴、メーカーの公式製品ページなど、機器を外さず確認できる情報から調べます。見える場所に型番がない場合は、正面全体と設置周辺の写真を用意してください。
来訪者が実際に立つ位置と玄関の段差を見る
玄関ポーチ、道路、門柱の足元に段差があると、同じ高さに付けたカメラでも来訪者との相対位置は変わります。壁側の床から測った数値だけでなく、来訪者がボタンを押す場所の足元と、身体が向く方向を確認してください。
来訪者が玄関前で横向きになる、門扉の外側から呼び出す、宅配ボックスの前に立つといった住宅では、正面に立つことを前提とした設置例と見え方が異なります。現場では、実際の呼出位置で映像を確認できるかが重要です。
カメラの撮影範囲と角度調整の可否を調べる
撮影範囲は、カメラに映る上下左右の広さのことです。広角カメラでも、画面の端まで顔を判別しやすいとは限らず、ズーム機能や補正機能の有無も機種で異なります。
カメラ本体の設定だけで表示範囲を動かせる場合と、メーカー対応の角度調整台が必要な場合があります。調整台を取り付けられない玄関子機もあるため、「どの機種も後から傾けられる」と考えないでください。
既存の配線・取付穴・電源の位置を確認する
既設機器の場所をそのまま使えるかは、取付面の大きさ、外から見える配線、周辺のコンセント、新しい機器の取付条件によって変わります。古い取付穴や既存配線を必ず流用できるとは限りません。
壁の内部、端子、電源線は自分で調べず、見える範囲の写真を施工業者へ渡します。親機に電源コードが見えない場合は、壁内のAC100V配線へ直接つながる電源直結式の可能性があるため、取り外しは電気工事士へ依頼してください。
戸建て・賃貸・マンションの制約を分ける
持ち家の戸建てでも、外壁加工、門柱の加工、電源工事は建物の条件を確認する必要があります。賃貸住宅は貸主または管理会社、分譲マンションは管理規約と管理組合への確認が先です。
集合玄関機、オートロック、管理室、火災・ガス・非常などの警報設備と連動している場合は、玄関子機や親機を個人判断で交換・移設しないでください。
玄関子機の高さと位置を決める方法
玄関子機の位置は、来訪者の顔が映ること、呼出ボタンを押しやすいこと、対象機種の取付条件を満たすことを同時に確認して決めます。高さだけでなく、来訪者との距離、玄関の段差、左右の向き、門扉やドアとの干渉を見てください。
顔が映る位置は設置高さだけでは決まらない
来訪者がカメラの真正面に立つ住宅と、門扉の横から呼び出す住宅では、必要な撮影範囲が違います。カメラが低くても角度や画角が適していれば顔を確認できる場合があり、反対に高い位置でも段差や逆光の影響で顔が見えない場合があります。
例えば、パナソニックのVL-X50AHFは、付属する玄関子機について左右約170度・上下約110度の撮影画角を公式に案内しています。これはVL-X50AHFの製品情報であり、すべてのインターホンに共通する画角ではありません。メーカーは、夜間にLEDライトが届きにくい画面周辺では顔を判別しにくい場合があることも説明しています。
そのため「広角だから、どこに取り付けても問題ない」とは判断せず、来訪者が実際に立つ位置で、顔と呼出ボタンの両方を確認してください。
メーカーの設置例と測定位置を確認する
アイホンのJUS-1AEK-Tの制約事項には、撮像範囲の図として「取付位置1,450mm(カメラ角度0°)の場合」という設置例があります。ただし、公開ページのテキストだけでは、その寸法がカメラ中心、本体中心、下端のどれを指すか、また地面・仕上げ床・玄関ポーチのどこを基準面とするかを特定できません。
1,450mmはJUS-1AEK-Tに関する図の条件であり、全機種共通の標準値ではありません。JUS-1AEK-Tはメーカーの現行商品一覧に掲載されているAC100V電源直結式の製品で、取り付けには電気工事が必要です。別の製品へ数値を流用せず、実際の施工では対象機種の施工説明書と現場の条件を照合してください。
高さの図を見るときは、対象製品の正式型番、基準面、測定点、カメラ角度、来訪者の立ち位置をセットで確認します。測定点が分からないまま「カメラ中心を145cmにする」と解釈しないでください。
子ども・高齢者・車いす利用者にも使いやすい位置
来訪者の身長や姿勢には差があります。大人の顔だけに合わせて高い位置へ取り付けると、子どもや車いす利用者が呼出ボタンを押しにくくなったり、画面へ顔が入りにくくなったりする場合があります。
反対に低い位置だけを優先すると、立った姿勢の来訪者の顔が画面から外れることもあります。複数の身長・姿勢を想定し、ボタンへ無理なく手が届くか、呼び出した位置で顔が映るかを確認してください。
門柱・ポスト・玄関脇で異なる注意点
玄関脇は来訪者の動線を確認しやすい一方、ドアの開閉や軒の形状に注意が必要です。門柱やポストは道路側から押しやすくできますが、高さ、取付面、配線経路、対応する取付部材が製品条件に合わない場合があります。
※比較表は横にスクロールできます。
| 玄関子機の設置場所 | 利点 | 注意点 | 工事・適合の確認事項 |
|---|---|---|---|
| 玄関ドアの脇 | 来訪者の立ち位置と顔の向きを合わせやすい | ドアの開閉、壁の段差、逆光、雨の吹き込み | 既設穴、壁材、配線の引き込み、取付面の寸法 |
| 門柱 | 門扉の外から呼び出しやすい | 門柱が低い場合は顔が映りにくく、道路側へ画面が広がることがある | 門柱の加工可否、既存配線、雨水処理、無線機種の通信状態 |
| ポスト・サインポスト | 来訪者の動線と呼出位置をまとめやすい | 取付寸法や開口部が合わない機種、取り付け不可の機種がある | 玄関子機の適合、取付部材、開口部の規格、管理側の許可 |
| 門扉や宅配ボックスの近く | 敷地に入る前の来訪者を確認しやすい | 扉の可動範囲、荷物の出し入れ、道路や隣家の映り込み | 新規配線、埋め込み、外壁・門柱加工、設置できる角度 |
実際に、アイホンのWL-11はメーカーの制約事項でサインポストに取り付けできないと案内されています。玄関子機と室内親機の間が無線であっても、すべての門柱やポストに設置できるわけではありません。
門柱が低い場合は、対応する上向き角度調整台の有無や別の取付位置を施工業者と検討してください。メーカーが対応を明示していない部材を組み合わせたり、門柱へ自分で穴を開けたりしないでください。
玄関ドアの開閉や宅配ボックスとの干渉
玄関子機をドアの近くへ移すと、開いたドア、取っ手、宅配ボックスの扉、門扉がカメラや呼出ボタンに干渉する場合があります。荷物を持った来訪者の身体がカメラを隠すこともあります。
機器を外さず、ドアを開閉したときの動きと、来訪者が呼び出す位置を確認してください。カメラの視界だけでなく、安全にドアを通れるかも設置位置の判断に含めます。
逆光・直射日光・雨・夜間を考えた設置場所
高さが適切でも、強い逆光、雨の当たり方、夜間照明の位置によって来訪者の顔が見えにくくなります。玄関子機は日中と夜間の両方で確認し、使用環境と水抜き穴などの制約は対象機種の説明書を優先してください。
背景に空が入る場所や強い逆光を避ける
背景に空が大きく映る場所、白い壁が強く反射する場所、直射日光がレンズに当たる場所では、来訪者の顔が暗く見えたり、明るい部分が白く飛んだりする場合があります。アイホンはWL-11やJUS-1AEK-Tの設置制約でも、こうした場所を避けるよう案内しています。
逆光補正機能がある機種でも、常に顔を鮮明に映せるとは限りません。朝と夕方で太陽の向きが変わる住宅では、時間帯ごとの映り方も確認してください。
玄関灯と夜間の顔の見え方を確認する
夜間は、玄関灯が来訪者の背後にあると顔が暗くなることがあります。玄関子機のLEDライトがある場合も、光が届く範囲や色の見え方は製品によって異なります。
VL-X50AHFの公式情報では、LEDライトが点灯していても撮影範囲の中央付近以外では顔を判別しにくくなる場合があると説明されています。実際の照明条件で、画面中央と端、呼び出し時の立ち位置を確認してください。
軒下・雨・防まつ性能・水抜き穴を確認する
玄関子機が屋外向けでも、すべての製品を同じ雨量、直射日光、水しぶきの条件で使用できるわけではありません。軒の有無、横殴りの雨、強い西日、製品ごとの使用環境条件を確認します。
アイホンは、WL-11やJUS-1AEK-Tの制約事項で、コーキング処理をする場合は水抜き穴をふさがないよう案内しています。防水処理やカバーの追加は、水抜き、放熱、カメラの視界、センサー、呼出ボタンを妨げないことを施工業者またはメーカーへ確認してください。

隣家・道路・共用廊下の映り込みに配慮する
カメラの向きを変えると、自宅の来訪者だけでなく、隣家の玄関、道路を通る人、マンションの共用廊下が広く映ることがあります。必要な範囲を超えて録画しないよう、設置位置と撮影方向を確認してください。
集合住宅では、共用部の撮影や録画について管理規約に条件がある場合があります。画角の広い製品へ交換するときほど、管理側と撮影範囲を事前に共有することが大切です。
室内親機の高さと位置を決める方法
室内親機は、家族が無理のない姿勢で画面を確認し、通話・解錠などのボタンを操作できる位置に設置します。身長や座った姿勢によって見やすい高さは変わるため、目線の位置を固定値で決めず、電源と配線の条件も一緒に確認してください。
家族の目線とボタン操作のしやすさを優先する
画面を見るために毎回背伸びする、身体をかがめる、腕を高く上げる必要がある位置は、毎日の来客対応で負担になります。普段もっとも使う人の立ち位置と、画面全体を見渡せる角度を確認してください。
通話、録画確認、呼出音量、解錠など、実際に使うボタンへ無理なく指が届くかも重要です。画面の中心だけに合わせるのではなく、本体全体の大きさと操作部の配置を確認します。
高齢者や車いす利用者の使いやすさを確認する
高齢者や車いす利用者がいる家庭では、立った姿勢の人だけを基準にせず、座ったまま画面と操作ボタンを見られるかを確認します。親機の前に近づけるか、通路や家具が妨げにならないかも見てください。
家族の身長差が大きい場合は、主に操作する人を優先しつつ、別の家族も使える位置を相談します。ワイヤレスの室内モニター子機が使える製品であっても、固定親機の設置条件や玄関子機との配線方式は別に確認が必要です。
コンセントの位置と電源コードの長さを確認する
室内親機には、コンセントへつなぐ電源プラグ式、充電台や電源アダプターを使う機種、壁内のAC100Vへ直接つなぐ電源直結式があります。希望する設置場所の近くに使えるコンセントがあるか、電源コードが通路を横切らないかを確認してください。
コードの長さや直結への変更可否は製品ごとに異なります。コンセントの新設・移設、電源直結式への変更、電源線の延長は、電気工事士へ依頼してください。
天井近くの古いチャイムから交換する場合
古い室内チャイムが天井近くにある場合、その位置へモニター親機を取り付けると、画面を見たりボタンを押したりしにくくなります。アイホンの公式解説でも、天井近くのチャイムから見やすい位置へ親機を移す場合は、配線施工が必要になることがあると案内しています。
親機の近くにAC100V電源がない場合は、電気工事士による電源工事も必要です。高い位置のチャイムを脚立に乗って外したり、コードが見えない機器を自分で取り外したりせず、外観写真と希望位置を施工業者へ伝えてください。

リビング・廊下・キッチンでの使いやすさ
親機を設置する部屋は、呼出音に気づきやすく、来客対応までの移動が少なく、家族が落ち着いて画面を見られる場所を選びます。部屋を変える場合は、既存配線の距離や露出配線の仕上がりも確認してください。
※比較表は横にスクロールできます。
| 室内親機の設置場所 | 使いやすさ | 電源・配線の注意点 | 向いている家庭 |
|---|---|---|---|
| リビング | 在宅中に画面を確認しやすい | 既存の玄関配線から遠い場合は延長工事や露出配線が必要になる | 家族が日中リビングで過ごす時間が長い |
| 玄関近くの廊下 | 玄関へ移動する流れで応答しやすい | コンセントが遠い場合や通路へコードが出る場合は設置方法を再検討 | 既設親機が玄関近くにあり、移設範囲を抑えたい |
| キッチン付近 | 家事中の呼び出しに気づきやすい | 水や熱がかかる場所、家電の近く、配線が作業動線を横切る場所を避ける | 料理中に来客対応することが多い |
| 高齢者・車いす利用者が過ごす部屋の近く | 座った姿勢でも画面と操作ボタンを確認しやすい | 機器の前の通行幅、コンセント、配線経路、別室への延長可否を確認 | 立位での操作や玄関までの移動に負担がある |
既存の設置位置を使うか移設するか
まず既存位置とメーカー対応の角度調整で改善できるかを確認し、それでも見え方や操作性に問題が残る場合に移設工事を検討します。既設穴を使えるか、角度調整台が適合するか、配線を延ばせるかは、機種と建物の条件ごとに異なります。
※比較表は横にスクロールできます。
| 選択肢 | 向いている状況 | 最初に確認すること | 専門業者・管理側への確認 |
|---|---|---|---|
| 既存位置を利用する | 来訪者の顔と操作性に大きな問題がない | 取付面、交換跡、既設穴、対象機種の寸法 | 電源直結式や集合住宅では自己判断で取り外さない |
| 角度調整で改善する | 位置は使えるが来訪者の方向とカメラが合わない | 玄関子機型番、対応する調整台、調整方向 | 取付方法、水抜き、管理規約への適合を確認 |
| 玄関子機を移設する | 段差、門柱の高さ、逆光、ドアの干渉が大きい | 新しい取付場所、外壁・門柱の材質、配線経路 | 穴あけ、壁内配線、防水処理は施工業者へ依頼 |
| 室内親機を移設する | 高すぎて操作できない、別室から応答したい | 希望位置、近くの電源、既存配線、露出配線の可否 | 配線延長とAC100V電源工事の必要性を確認 |
| 玄関子機と親機の間が無線の製品を追加する | 新規配線を避けたいが既存設備を残せる | 設置場所、固定方法、電波の届き方、充電台の電源 | 既設機器の撤去・残存配線の処理と管理側の許可は別途確認 |
既存の取付穴と交換跡を確認する
既存位置を使えば、新たな穴あけや配線の引き直しを抑えられる場合があります。ただし、新旧機器で取付穴の位置、本体サイズ、取付金具、配線の取り出し位置が一致するとは限りません。
古い本体が大きかった場合は、交換後に日焼け跡やねじ穴が見えることがあります。カバーや化粧部材で隠せるかは機種と玄関子機の型番で確認し、カメラの視界、水抜き穴、ボタンをふさがないようにしてください。
角度調整台や広角カメラで改善できる場合
来訪者がカメラの正面に立たない場合は、メーカー純正の角度調整台を使えることがあります。ただし、調整できる方向と適合する玄関子機は製品ごとに異なります。
2026年8月25日時点で、アイホンの公式対応表では次のように案内されています。
※比較表は横にスクロールできます。
| 角度調整台 | メーカー記載の調整方向 | 対応する玄関子機の例 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| JBW-D | 左または右へ15度 | JU-DA、JS-DA | WL-DA、WP-DA/Bは公式対応表で非対応 |
| KAW-D | 左または右へ30度 | JU-DA、JS-DA、WR-DA、WL-DA | 玄関子機によって寸法・色調が異なる場合がある |
| MLW-DT | 上向きへ8度 | JU-DA、JS-DA | 水が抜けなくなるため下向きには取り付けない |
例えば、WL-11の玄関子機WL-DAは、公式対応表でKAW-Dのみ対応しています。一方、WP-24A/Bの玄関子機WP-DA/Bは、上記3種類の調整台すべてで非対応です。セット型番だけで購入せず、玄関子機の正式型番でメーカーの対応表を確認してください。
広角カメラや画面内の表示位置変更で改善できる場合もありますが、対象機種の対応機能と実際の顔の見え方を確認する必要があります。他社製の調整台を流用したり、本体を説明書にない向きへ傾けたりしないでください。
玄関子機の移設で配線工事が必要になる場合
玄関子機を玄関脇から門柱へ、門柱から別の壁面へ移す場合は、玄関子機と室内親機の間の配線を延長・新設する必要があることがあります。外壁の穴あけ、壁内配線、埋め込み、雨水対策が必要な場合は、建物の構造を確認できる施工業者へ依頼してください。
玄関子機と親機の間が無線の製品なら、その区間の配線を避けられる場合があります。ただし、金属扉、アルミはく入りの断熱材、コンクリート壁、複数の壁や階を挟む環境では、近い距離でも通信が弱くなることがあります。古い電源直結式機器の撤去や残った配線の処理は、無線化とは別に専門業者へ依頼してください。
室内親機の移設で配線延長が必要になる場合
親機を同じ壁の見やすい高さへ下げる場合でも、既存配線の長さが足りなければ配線工事が必要です。別の壁や部屋へ移す場合は、配線ルート、露出配線の見た目、壁材、コンセントとの位置関係も確認します。
建物の構造によっては、壁内を通せず、壁面に配線モールが見える施工になることがあります。「少し移すだけだから工事不要」と判断せず、希望位置と現在の機器を写真で伝えてください。
電源直結式・コンセント増設は電気工事士へ依頼する
AC100V電源直結式の取り外し・取り付け、コンセントの新設・移設、電源線の延長は電気工事士へ依頼してください。電源コードが見えない親機やチャイムは、電源方式が分からないまま取り外してはいけません。
壁内配線、用途が分からない線、門柱の穴あけ、外壁の加工、防水処理も、一般の利用者が自己判断で行う作業ではありません。賃貸住宅・マンションは、工事業者へ直接依頼する前に貸主・管理会社・管理組合へ確認し、指定業者や申請手続きがある場合は指示に従ってください。
戸建てなどで管理上の承諾が不要で、配線延長・親機移設・電源工事の必要性がある場合は、施工対応地域と工事条件を確認してください。相談・見積もりは原則無料と案内されますが、地域、加盟店、現場状況によっては、事前説明のうえで調査・見積もり費用が発生する場合があります。
インターホンの取り付け・移設費用の考え方
移設費用は、本体代、取付工事、配線工事、電源工事、穴あけ・補修を分けて確認します。「工事○円から」という表示は対象作業の開始価格であり、すべての作業を含む交換総額とは限りません。
本体代・取付工事・配線工事・電源工事を分ける
既存位置で本体を交換するだけの場合と、玄関子機を門柱へ移し、親機も別室へ移設する場合では、必要な工程が異なります。見積書では、商品代、既設機器の取り外し、設置、配線、電源、壁面加工、出張、処分の項目を分けてください。
2026年8月25日に確認した公式の料金例は次のとおりです。表示料金は各事業者の対象作業に対する金額であり、同一条件の総額比較ではありません。
※比較表は横にスクロールできます。
| 事業者 | 確認した工事項目 | 公式表示料金・税込 | 表示料金に関する注意点 |
|---|---|---|---|
| 電気工事110番 | インターホン配線工事 | 6,600円から | 配線工事の開始価格であり、本体込みの交換・移設総額ではない |
| エディオン | 既存配線利用またはワイヤレス機器の設置 | 5,500円 | 電源工事が必要な場合は別途。対象機器と設置条件を確認 |
| エディオン | 露出配線15mまで・配線延長 | 15mまで5,500円、延長1mごと440円 | 本体代や設置料金を含む総額ではない。建物によって露出配線になる |
| ビックカメラ | ドアホン設置の基本料金 | 4,400円 | 設置場所や施工内容による追加料金、出張費が別途発生する場合がある |
| ビックカメラ | ドアホン用2芯線の配線 | 10mごと1,320円から | 配線の料金であり、基本工事や電源工事を含む総額ではない |
| ビックカメラ | 外壁などの穴あけ | 木造・モルタル3,300円から、コンクリート・ALC5,500円から | 壁材、穴の条件、建物の状況で作業内容と金額が変わる |
電気工事110番の6,600円は、インターホン配線工事の開始価格です。本体代、玄関子機・室内親機の取り付け、電源工事、外壁加工、出張、処分などをすべて含む交換総額ではありません。
門柱・埋め込み・外壁加工で追加費用が発生する場合
門柱への新設、ポストの開口部に合わせた加工、埋め込み機器から露出型への変更、外壁の穴あけ、壁材に合わせた固定、防水処理などは、基本設置料金とは別に扱われることがあります。
とくにコンクリート壁、ALC外壁、門柱、既存配線の経路が分からない住宅では、現地確認なしに工事の可否や総額を判断しにくくなります。作業を始める前に、露出配線になるか、交換跡が残るか、原状回復が必要かを確認してください。
見積もり前に準備する写真と確認事項
見積もりを依頼する前に、機器を外さず、現在の設置状況と希望する場所を写真で伝えると、必要な工事を相談しやすくなります。
- 玄関子機の正面、取付面、門柱・ポストを含む周辺全体。
- 来訪者が立つ位置、玄関ポーチの段差、門扉やドアの開閉範囲。
- 室内親機または古いチャイムの現在位置と、希望する移設位置。
- 安全に見える範囲のコンセント、電源コード、露出配線。
- メーカー名と、説明書・購入履歴で確認できる親機・玄関子機の型番。
- 戸建て・賃貸・マンションの区分と、管理側への確認状況。
- 本体代、配線、電源、壁面加工、出張、処分、キャンセルの料金条件。
電気工事110番の公式案内では、地域、加盟店、現場状況によって、事前に利用者へ確認したうえで調査・見積もり費用が必要になる場合があります。依頼前に、現地調査費、出張費、追加工事費、キャンセル費、保証条件を確認してください。24時間365日という案内は受付体制を示すもので、当日の訪問や深夜の施工を保証するものではありません。
賃貸・マンションで管理側の許可や指定業者の確認が済んでいない場合は、外部の施工サービスへ直接申し込む前に管理側へ相談してください。
戸建ての所有者、または必要な管理確認を終えた人で、玄関子機・室内親機の移設や配線・電源工事が必要な場合は、希望位置と写真を用意して施工条件を相談してください。
賃貸・マンションで位置を変える前の確認
賃貸住宅やマンションでは、設置位置の使いやすさより先に、誰が設備を管理しているかと変更の許可を確認します。穴あけ、貼り付け、既設機器の取り外し、配線変更、共用部の撮影には制約がある場合があります。
賃貸住宅は貸主・管理会社へ確認する
賃貸住宅のインターホンやチャイムは、物件の付帯設備である場合があります。玄関子機の場所を変える、室内親機を外す、壁へ穴を開ける、強い粘着テープで固定する前に、貸主または管理会社へ確認してください。
既存設備を残したまま、取り外しや配線工事を伴わないカメラ付き機器を追加できる場合でも、固定方法、撮影範囲、退去時の原状回復について承諾が必要かを確かめます。
分譲マンションは管理規約と管理組合へ確認する
分譲マンションでは、住戸内の親機でも、建物全体のインターホン設備や管理規約に関わる場合があります。玄関扉の外側、共用廊下、門扉、外壁へ機器を設置したり、撮影方向を変えたりする場合は、管理組合または管理会社へ確認してください。
故障や使いにくさがある場合も、指定業者や建物全体の更新計画があるかを確かめます。所有住戸であっても、共用設備に影響する工事を個人判断で進めないことが大切です。
オートロック・集合玄関機・警報設備と連動する場合
親機が集合玄関機、オートロック、管理室、火災・ガス・非常・防犯の警報設備と連動している場合は、機器の移設や交換によって建物側の機能に影響する可能性があります。単独で配線を変更したり、市販の戸建て向け親機へ交換したりしないでください。
管理会社・管理組合へ機器の型番と困っている内容を伝え、変更できる範囲と指定業者の有無を確認します。
取り付け後に確認する映像・通話・録画・夜間のチェック
設置後は、来訪者の顔が映るかだけでなく、昼夜の映像、呼出ボタン、通話、録画、ドアの開閉、必要に応じて警報・解錠連動まで確認します。工事が終わってから気付くと調整や再訪問が必要になる場合があるため、施工担当者がいる間に確認してください。
- 来訪者が実際に呼出ボタンを押す位置で、顔が画面に入る。
- 子どもや車いす利用者を含め、必要な姿勢でボタンを押しやすい。
- 日中の逆光と、夜間の玄関灯・LEDライトの見え方に問題がない。
- 室内親機の画面と通話・解錠などの操作部を、無理な姿勢なく使える。
- 呼出音、双方の通話、録画の有無と保存状況を確認できる。
- ドア、門扉、ポスト、宅配ボックスの開閉を妨げない。
- 配線、電源コード、露出モール、交換跡の処理を説明どおり確認できる。
- 雨水の処理や水抜き穴を妨げず、隣家・道路・共用廊下を必要以上に撮影しない。
- 集合住宅では、管理側が認めた連動機能や設置条件に影響がない。
よくある質問
設置高さの数字だけで判断せず、対象機種、測定位置、実際の映り方、配線と管理上の条件を確認してください。とくに移設や電源工事は、安全に見える範囲の情報を持って専門業者へ相談することが大切です。
インターホンの取り付け高さは145cmが正解ですか。
いいえ、145cmがすべてのインターホンに共通する正解ではありません。アイホンJUS-1AEK-Tには取付位置1,450mmの撮像範囲例がありますが、対象機種の条件であり、公開ページのテキストでは測定点と基準面を特定できません。
玄関子機の高さはどこからどこまで測りますか。
測定位置は、対象機種の施工説明書に記載された基準面と測定点に従います。地面、仕上げ床、玄関ポーチのどこを基準にするかと、カメラ中心、本体中心、下端のどこを測るかを混同しないでください。
玄関に段差がある場合、どの位置を基準にしますか。
メーカーが指定する施工上の基準面と、来訪者が実際に立つ面の両方を確認します。玄関ポーチと道路に段差がある場合は、壁側の寸法だけで顔の映り方を判断できません。
門柱が低くてもカメラ付きインターホンを設置できますか。
機種と門柱の条件に合えば設置できる場合があります。ただし、顔が映る角度、取付面、メーカー対応の調整台、配線、門柱の加工条件を確認し、取り付けできないポストや調整台にも注意してください。
来訪者の顔が画面に映らないときはどうすればよいですか。
まず来訪者の立ち位置、カメラの撮影範囲、段差、逆光、角度調整の可否を確認します。メーカー対応の調整で改善しない場合は、玄関子機の移設が可能か施工業者へ相談してください。
玄関子機のカメラ角度は後から調整できますか。
後から調整できるかは、玄関子機の型番とメーカー対応の調整台によって異なります。アイホンWL-DAはKAW-Dに対応しますが、WP-DA/Bは公式対応表に掲載された3種類の調整台に対応していません。
室内親機はどの高さに取り付ければよいですか。
室内親機は、利用する人が立った姿勢または座った姿勢で画面を見て操作できる位置に設置します。身長、車いすの利用、操作ボタン、コンセント、配線経路を確認し、根拠のない固定寸法で決めないでください。
古いチャイムが天井近くにあっても交換できますか。
配線と電源の条件を満たせば、見やすい位置へモニター親機を設置できる場合があります。チャイムの位置から親機までの配線延長や、AC100V電源工事が必要なときは施工業者・電気工事士へ依頼してください。
親機の近くにコンセントは必要ですか。
必要かどうかは、室内親機が電源プラグ式、充電台・アダプター式、電源直結式のどれかによって変わります。電源工事やコンセント新設が必要な場合は、自分で作業せず電気工事士へ依頼します。
ワイヤレス機種なら移設工事は不要ですか。
玄関子機と室内親機の間が無線であれば、その区間の配線工事を避けられる場合があります。ただし、固定方法、通信状態、充電台の電源、既設の電源直結式機器の撤去、賃貸・マンションの許可は別に確認してください。
賃貸やマンションのインターホンは個人判断で移設できますか。
賃貸やマンションでは、個人判断で移設せず、貸主・管理会社・管理組合へ先に確認してください。集合玄関機、オートロック、管理室、火災・ガス・非常などの警報設備と連動する場合は、指定業者や建物側の対応が必要になることがあります。
移設工事を依頼する前に何を準備すればよいですか。
現在の玄関子機・室内親機、希望位置、来訪者の立ち位置、段差、近くのコンセントが分かる写真を用意してください。型番、住まいの種類、管理側の許可、調査費・出張費・追加工事費の条件も確認します。
まとめ
インターホンの取り付け高さは一律の寸法で決めず、玄関子機は来訪者の顔と呼出位置、室内親機は利用者の見やすさと操作性を基準にします。玄関の段差、逆光、雨、門柱の形状、既設穴、配線、電源も設置位置の判断に含めてください。
- 既存位置で顔と画面が見やすい場合は、取付面・適合・交換跡を確認する。
- カメラの向きが合わない場合は、玄関子機型番で純正の角度調整台を確認する。
- 配線延長・門柱加工・電源工事が必要な場合は、施工業者または電気工事士へ相談する。
- 配線を避けたい場合は、玄関子機と室内親機の間が無線の製品を検討する。
- 賃貸・マンションや集合設備との連動がある場合は、貸主・管理会社・管理組合へ先に確認する。
「145cmに合わせる」ことよりも、自宅の来訪者、使う家族、対象機種、建物の条件に合った位置を選ぶことが、使いやすさと安全性につながります。
参考にした公式情報
メーカーの現行商品、設置制約、角度調整台の適合、施工条件、工事料金は2026年8月25日に確認しました。仕様・適合・料金は変更される場合があるため、依頼前に最新の公式情報をご確認ください。
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